
映画「小さいおうち」ネタバレと感想を書いていきます。
あらすじから結末まで解説していくので、どんな作品か深く知ることができる記事にしました。
(原作をもとにした記事になっています。映画と原作は基本的には同じですが、一部異なる点もあります。)
「小さいおうち」は直木賞を受賞した中島京子さんの小説が原作となっているので、原作のファンからすると映画がどうなるか気になりますよね。
「小さいおうち」では、昭和時代の女中タキは、
わざわざノートに書いてまで何を伝えたかったのでしょうか?
まずは、映画のキャストを紹介します。
<キャスト>
松たか子
平井時子(バツイチで平井家に嫁いできた)
黒木華
布宮タキ(平井家の女中)
片岡孝太郎
平井雅樹(平井時子の夫)
吉岡秀隆
板倉正治(平井雅樹の会社の後輩)
妻夫木聡
荒井健史(布宮タキの親戚)
倍賞千恵子
布宮タキ(晩年)
主なキャストは以上です。
妻夫木聡さん演じる荒井健史は、晩年の布宮タキから話を聞く重要な人物です。
このメンバーが、どのようなストーリーを展開するのでしょうか。
予告動画を観たい方はこちらからどうぞ
それではあらすじを紹介します。
<あらすじ>
健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。
それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。
昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。
そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。
穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。
シネマトゥデイより引用
ちょっとわかりにくいのでわかりやすくまとめると、平井時子(松たか子)が浮気しそうな様子を女中の布宮タキ(黒木華)は見てしまい、どう対応しようか?という話です。
タキがどんな対応をしたのか、現代の荒井健史(妻夫木聡)はタキの残したノートから知るわけですね。
<ネタバレ>
ここから結末までのネタバレです。
先にまとめておくと、
・時子は板倉と浮気していた
・タキは時子の手紙を板倉に渡さなかった
こういう結果でした。
ここから詳しく説明していきます。
タキ(黒木華)は、平井時子(松たか子)が浮気していることがなんとなくわかってしまいました。
以前、板倉(吉岡秀隆)の家に時子が行った際、帰ってきた時には時子の着物の帯の向きが逆になっていたからです。
板倉の家で着物を着直す必要があったことから、時子が板倉と浮気していることを知ってしまったタキはどうしようと悩みます。
時子が若い男と仲良く歩いていたと、一部の人の間で噂になっていたこともあり、平井雅樹(片岡孝太郎)にバレるのが心配だったからです。
そうこう悩んでいるうちに、板倉が徴兵されることが決定しました。
板倉は海外で戦うことになったので、時子は最後に一度板倉に会いに行こうとします。
ですがタキは時子の浮気をどうしても止めたかったので、「板倉様 明日の昼一時にお訪ねくださいませ。どうしてもお会いしたく思います。平井時子」と書いた手紙をタキが板倉に渡しに行くので、その手紙を読んで時子に会いに来るかどうかは、板倉の判断に任せてみましょう、と提案します。
時子は渋々その案を受け入れ、板倉が家に来るのを楽しみにしていました。
(ここからがこの作品のポイントだと思います)
タキのノートには、板倉は次の日に時子のもとを訪れたが、タキは家の庭にいたので二人の交わした会話はわからない、と書いてありました。
そしてその日を境に、時子とタキは以前ほど仲良くはなくなり、
タキは故郷の東北に帰ることが決まります。
ここまでは昭和の戦争中を生きたタキのノートの文章に書いてあったことです。
しかしタキの親戚で、現代の荒井健史(妻夫木聡)が調べてみると、事実は少し違ったようです。
晩年のタキ(倍賞千恵子)の話やノートを見ていた健史は、
マンガ家として成功した板倉の資料館を偶然訪れます。
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終戦後マンガ家として成功した板倉は、現在は亡くなっていましたが、
功績をたたえる資料館ができていたのでした。
(この時点で、タキや平井時子は亡くなっています)
その資料館をのぞいてみると、来館者の記録帳に平井時子の息子「平井恭一」の名前がありました。
そこで健史は平井恭一と連絡を取り、タキの話をしようと決めます。
実はタキのノートには未開封の平井時子の封筒が挟んであったので、
平井恭一と会ってその封筒を渡そうと思っていました。
平井恭一に会ってみると、恭一は目が見えなくなっていたので、
健史が代わりに封筒を開封して読んでみます。
するとそこには「板倉様 明日の昼一時にお訪ねくださいませ。~平井時子」と書かれていました。
タキは、時子の手紙を板倉に渡していなかったことが判明します。
母親の浮気の証拠を聞いてしまった恭一は、なんとなくわかっていた、と語りました。
これでストーリーは終わりです。
ここからは解釈が別れるかもしれないので、次の感想で書いていきます。
ちなみに、「小さいおうち」では浮気が1つのテーマになっていましたが、2月8日公開の『ニシノユキヒコの恋と冒険』では、浮気どころではないモテまくりのニシノの様子を、女性目線で描いた評価の高い作品です。
→『ニシノユキヒコの恋と冒険』現代の光源氏のような、モテる男の悲しい話
女性と交際しても、女性を愛することができずにやがてフラれてしまう。
そんな男性が結局どうなるのか興味がある方は、あらすじだけでも読んでみてください。
<感想>
タキのノートには「板倉が時子のもとを訪れた」と書いてありましたが、
これはタキが嘘を書いていた可能性が高いですね。
手紙を渡していないので、板倉が時子の家に来る可能性は低いですし。
予告動画で煽られていた「秘密」とは、
「時子の浮気」でもあり「手紙を渡していなかったこと」でもあったのでしょう。
ここで、タキがなぜ時子の手紙を板倉に渡さなかったのか、
また戦争に行く前に板倉は時子の家に来たのか?という2つの疑問が出てきます。
これについては意見が色々あるかもしれませんが、
私は
・タキは時子の事が好きだったので、板倉との関係を終わらせたかった
・ノートは嘘で、板倉は時子の家に来ていない
と考えています。
まず、タキは生涯結婚していませんし、時子と一緒にいることに幸せを感じていました。
そして、時子は性別問わず人を惚れさせる魅力を持っている女性として描かれていました。
小説の表紙はタキと時子が二人で手をつないでいる、
意味深な絵なのでタキは時子のことが好きで板倉に渡したくなかったのでは?と思いました。
また、タキは生涯時子に対して後悔している様子が描かれていました。
なので、罪悪感から実際は板倉が来ていないが、
ノートの中では来ていたことにしたのだと思います。
その日をきっかけに時子とタキの関係が少し悪くなったと描かれていましたしね。
かなり長くなってしまいましたが、
これで「小さいおうち」あらすじから感想まで3時間かけて一通り書きました。
事実ではなく、タキの主観が入ったノートをもとにした情報でほぼストーリーがなりたっていたので、真実は作者のみ知るって感じの作品でした。
人によって好みの別れる作品だと思いますが、あなたにとってこの作品の印象はどうでしたか。
「小さいおうち」は少し危険な恋の話でしたが、純粋な恋の話が好きな方には、映画「抱きしめたい」がオススメです。
→「抱きしめたい」錦戸亮と北川景子出演!難病と闘いながら、結婚するが・・・
詳しくは別記事に書いていますが、実話をもとにした作品で、ここまで人間は頑張ることができるんだな、と人間の強さや愛情の大切さを感じさせるストーリーでした。
ジャニーズ好きな方や、「世界の中心で愛を叫ぶ」「1リットルの涙」などの感動作で泣いた方には是非知っておいてほしい作品です。