
『坂道の家』の結末と感想
を書いていきます。
《あらすじ・結末》
大型店に対し、良質なサービスで対抗する寝具店の経営者の吉太郎(柄本明)は、地道に売上げを伸ばしていました。
金を貯めることだけを生き甲斐にしていた吉太郎は、
ある日、客としてやってきた魅力的な若い女性・りえ子(尾野真千子)に一目で魅了されてしまいます。
吉太郎は、りえ子のアパートを訪ねたことから、二人の仲は急速に深まって行きました。
吉太郎が、りえ子が勤める理容室に行き、その帰りに酒を飲むと二人は男女の関係なってしまいました。
りえ子の亡き母・鷹子(笛木優子)も小さな港町で、次々と男たちに抱かれていた女でした。
幼いりえ子はそんな母に嫌悪感を抱きましたが、上京してからは、結局、母のように男たちと関係を持ち、同じように金を手に入れました。
1年後、吉太郎は、すっかり豹変し、商売はおろそかになり、貯めた金はりえ子の独立資金へと消えていきました。
そんなある日、りえ子は、新聞記事に載っている初恋の相手、大学准教授の直樹(小澤征悦)の写真に目を奪われます。
りえ子の母のおかげで、直樹との恋も泡のように消えてしまっていました。
しかし、久々に見る直樹の顔に、りえ子は、今までになかった安らぎを覚えた。
りえ子と直樹の間には、消し去ることができない暗い過去があったが、それをあえて断ち切ったりえ子は、
直樹の前に現れる。突然の再会に直樹は、一瞬言葉を失う。
直樹への淡い恋心を取り戻してしまったりえ子。
しかし、微妙な心の変化を吉太郎は敏感に嗅ぎ取っていました。
やがて、りえ子と吉太郎、そして直樹の3人に想像も出来ない修羅場が訪れます。
りえ子は、少女の頃、母親を殺しました。しかし、りえ子は罪の意識を持ちませんでした。
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そんな、りえ子を目撃した直樹は恐怖のあまり彼女と距離を取るようになりました。
直樹の父は大手企業の社員でりえ子の街に工場長としてやって来ていました。
ところが、直樹の父とりえ子の母が男女の仲に陥ってしまいました。
たちまち小さな街の噂となり、直樹の父はこれが原因で左遷されました。
直樹の母はこれに怒り、りえ子の母を昼夜攻撃しました。直樹の家族は家庭崩壊してしまいました。
直樹は心労を重ね、苦しみ続けました。
そんな直樹を見かねたりえ子は遂に母を殺害してしまいました。
これを見て直樹は、りえ子を怖れ逃げました。
別れて何十年と経過していました。
直樹にとってりえ子は忌むべき人でしたが、同時に直樹は彼女の犯行を黙認した共犯者でもありました。
直樹にはすでに教授の娘・朝美との結婚話が持ち上がっていました。
へたな行動は身の破滅に繋がるが、強く出られない直樹に、りえ子は近付いて行きました。
りえ子は直樹と密会を重ねることで、彼への想いを強めて行きました。
一方、そんなりえ子の様子に気付いた吉太郎はりえ子への執着を深めていきます。
吉太郎に求められれば求められるほど、りえ子の直樹への衝動は日に日に高まって行きました。
まるで、自分の母と同じように。
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りえ子は吉太郎と距離を取るべく、彼の店から離れた「坂道の家」を手に入れます。この資金も吉太郎が出しました。
そして、遂にりえ子は、自身の罪を盾に直樹と罪悪感を共有しようとします。
それは直樹にとっては避けたい過去を掘り起こすことでもありました。
当初は渋々だった直樹だが、ついに彼女と関係を結んでしまいます。
これを知った吉太郎は怒り狂いました。
吉太郎は直樹とりえ子の逢瀬の現場に踏み込もうとします。だが、りえ子は巧みに逃げます。
吉太郎は男の存在を知りつつも、その現場が抑えられませんでした。
ついに、りえ子は吉太郎に別れを切り出します。
りえ子にとって独立よりも、直樹の方が重要でした。
しかし、そんな事は吉太郎には通用しません。
吉太郎は、さらに、りえ子に金を貢ぎ、脅迫することでりえ子を縛ろうとします。
やがて、りえ子は直樹に付きまとうようになります。
りえ子の存在は、直樹の現在の地位を揺らがす元になります。
その頃、吉太郎の様子に不審を抱いたミツは調査会社に依頼しりえ子の存在を突き止めていました。
そこには、りえ子の赤裸々な過去から、密会現場を抑えた写真と共に直樹の存在も調べ上げられていました。
しかし、吉太郎はそれでも、りえ子を諦めませんでした。
逆にりえ子への執着を強めます。
吉太郎はりえ子を監視すると宣言し、坂道の家でりえ子と共に暮らし始めます。
吉太郎がりえ子と直樹の密会写真を朝美に送り付けました。
だが、朝美は直樹を許します。
吉太郎が写真を送り付けた事実を知ったりえ子は逆上しました。
だが、吉太郎には切り札がありました。
吉太郎は自身でも調査会社を使い、りえ子が母を殺した事実を突き止めていました。
そして、直樹が共犯者だということも話します。
一方、直樹はりえ子と別れると言います。
代償にりえ子との密会写真の破棄を要求するが、吉太郎はこれを拒否します。
吉太郎は、「りえ子が母を殺害した事実」と「りえ子と直樹の密会写真」の2つの切り札を持った吉太郎だが。
一方で吉太郎自身も、どうすれば良いのか分からなくなってしまいます。
りえ子の罪を告発すれば、りえ子を失います。
りえ子は手離したくない。でも、尋常な手段ではりえ子を繋ぎ止めることはできません。
思い悩んだ吉太郎はりえ子と直樹を一生監視し続けると宣言します。
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ついに、りえ子は過去と同じ手段を使うことに決めます。吉太郎を殺害するのです。
その夜、りえ子は氷を購入し「坂道の家」に運び込みます。
翌朝、吉太郎が急死しました。
氷の入った朝風呂に入り、心臓発作を起こしました。
周囲からは自然死かと思われました。
しかし、隣家の中学生が「坂道の家」での一部始終を覗き見していました。
隣家の中学生は、刑事にりえ子が氷の塊を砕いていたことを話します。
りえ子は浴槽に氷を浮かべ水風呂を作り、吉太郎を酒に酔わせ、
泥酔状態にして吉太郎を氷風呂に入れ、心臓発作を起こさせ殺害しました。
その後、氷風呂は風呂を沸かして証拠を隠滅しました。
刑事はりえ子を犯人と決め、逮捕に向かいます。
《感 想》
原作からはかなりアレンジを加えていましたね。
りえ子関連が大幅に変更されており骨子だけ借りた別物です。
しかし、良く現代風にアレンジされていますね。
原作が三人称で書かれているのに対し、今回のドラマは、りえ子が中心に変わっています。
そんなドラマ版になりますが「序盤から終盤まで」と「終盤から最終盤まで」とで印象が変わりました。
序盤から終盤までは、
金に取り憑く女と愛欲に溺れる老人。
そして、そんな女を手放せない老人。
そして、成功した昔の恋人そんな3人が織り成す三角関係。
これが終盤から最終盤に至ると、執着を深める老人に女が引導を渡し、老人が女と女の男の弱みを握る。
関係が混沌とする中、遂に女が、老人を殺害する。
最後の部分は、読者に考えさせる松本清張らしい作りになっていました。
柄本明さんと尾野真千子さんの熱演で、かなりの視聴率を稼いだようです。
特に柄本明さんの演技は、迫真に迫っていましたね。
また、違う作品で熱演を見せて欲しいものです。