
映画『白ゆき姫殺人事件』のネタバレや感想を書いていきます。
原作者は、湊かなえさんです。
SNSやマスコミの情報が溢れる中で、人間の裏側にあるリアルで怖い部分が描かれているので、結末でわかる犯人以外の人物たちにも注目してほしい作品です。
映画では、井上真央さんや綾野剛さんなどの人気の役者さんが出ていますし、原作者は「告白」「夜行観覧車」などを手掛けた湊かなえさんなので、絶対ヒットする作品だと思います。
予告動画もあるので、まだ見てない方はチェックしてみてください!
→『白ゆき姫殺人事件』予告動画/You Tube
奈々緒さん演じる美人OLが殺害されたので、その犯人として地味な同僚(井上真央)が疑われてしまう、という話ですね。
そこに、SNSのパワーで色んな情報が出てきて、どす黒い人間関係も明らかになってしまうという展開になっています。
ちなみに、被害者のOLの会社が「しらゆき」という超人気せっけんを販売していたことと、被害者が美しかったことから「白ゆき姫殺人事件」と世間で呼ばれるようになりました。
まずは、キャストの紹介です。
<キャスト>
井上真央
城野美姫(化粧品会社の地味な社員。今回の事件の容疑者。)
綾野剛
赤星雄治(ワイドショーのディレクター。事件の取材を担当する。)
奈々緒
三木典子(城野美姫の会社の同僚で、誰もが認める美しさを持つ。今回の事件の被害者。)
金子ノブアキ
篠山聡史(城野美姫の会社の上司。かっこよくて、社内の女性から人気。)
蓮佛美沙子
狩野里沙子(城野美姫の情報を、仲の良い赤星雄治に伝える)
重要なキャストは以上です。
赤星雄治(綾野剛)が事件の関係者に取材していく部分と、
SNSでの情報から事件の真相が見えてきます。
美人OLが惨殺された『白ゆき姫殺人事件』の容疑者に自分が・・・! 『白ゆき姫殺人事件』2014年3月29日公開! http://t.co/qTLgULuUR6 #白ゆき姫 pic.twitter.com/dWEiSw4uzo
— 白ゆき姫殺人事件 (@shirayuki_movie) 2014, 2月 10
簡単にあらすじも説明しておきます。
<あらすじ>
美人会社員が惨殺された不可解な殺人事件を巡り、 一人の女に疑惑の目が集まった。
同僚、同級生、家族、 故郷の人々。
疑惑の女の関係者たちがそれぞれ証言した 驚くべき内容とは。
ネットや週刊誌報道を中心に、無責任な「噂話」が 広まり、彼女の人物像はますます見えなくなっていく。
果たして彼女は残忍な魔女なのか、それとも――。(「白ゆき姫殺人事件」あらすじ/集英社 より引用)
井上真央さん演じる地味なOLが、美人社員(奈々緒)を殺害したと疑われてしまい、SNSを中心にひどい噂話が拡散してしまう話になっています。
本日の朝日新聞関東版夕刊に『白ゆき姫殺人事件』の広告が掲載!(`∀´)/ #白ゆき姫 pic.twitter.com/aZD9dELQsB
— 白ゆき姫殺人事件 (@shirayuki_movie) 2014, 2月 21
だれの発言が嘘で、誰が犯人なんでしょうか?
ここからはネタバレを書いていきます。
(あくまで原作にもとづいた結末なので、細かい部分は違うかもしれません。)
<ネタバレ>
簡単に結末をまとめておくと、
・城野美姫(井上真央)は三木典子(奈々緒)に恨みがあったので、酒と風邪薬を飲ませて眠らせた後に、大好きだったミュージシャンのチケットを盗んだだけだった。
・その後、三木典子(奈々緒)に弱みを握られている狩野里沙子(蓮佛美沙子)が偶然、眠っている三木典子を見つけたので、チャンスだと思ってナイフで刺した。
・本当は犯人の狩野里沙子(蓮佛美沙子)が、「城野美姫(井上真央)=犯人」とワイドショーのディレクターに伝えたことで、世間を誤解させた
以上が真実でした。
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ここから詳しく説明していきます。
もともと、マスコミで働く赤星雄治(綾野剛)が「白ゆき姫殺人事件」について知ったのは、仲の良かった狩野里沙子(蓮佛美沙子)からの連絡があったからでした。
この時に、「城野美姫(井上真央)が犯人として有力だ」と伝えたことがきっかけで、赤星雄治(綾野剛)の頭の仲では「城野美姫=容疑者」という認識ができてしまいます。
そこから、赤星雄治(綾野剛)がSNSやマスコミを通して、「容疑者である城野美姫(井上真央)がいかに悪い奴だったのか」を伝えていきます。
小学校の時に祠を燃やしたことや、中学校の時に呪いの力でクラス中に恐れられていたことを伝えて、城野美姫は昔から不気味な人間なので犯人として有力だと世間に印象付けていきます。
そんなわけで、世間では「城野美姫は呪いの力を持った魔女で、犯人に違いない。被害者はお姫様のように綺麗だったから、妬んでいたんだろう」と思ってしまいます。
ですが、実際は違いました。
被害者の三木典子(奈々緒)はマスコミが伝えるような、完璧な女性ではありませんでした。
城野美姫(井上真央)と交際していた篠山(金子ノブアキ)を略奪愛で奪ったり、城野美姫の大好きなアーティスト「芹沢ブラザーズ」と交際を始めたりと、自分が誰からも他人の大事なものを欲しがる癖がありました。
また、後輩の狩野里沙子(蓮佛美沙子)も三木典子に対して不満を持っていました。
仕事のミスを責められていたり、狩野里沙子が会社の商品を横領していることを知られ、弱みを握られていたからです。
そこで、狩野里沙子(蓮佛美沙子)は、城野美姫(井上真央)をそそのかして、酒と風邪薬で眠らせた三木典子(奈々緒)から「芹沢ブラザーズ」のコンサートチケットを盗ませました。
その後、三木典子(奈々緒)が眠っていて無防備だったので、狩野里沙子は横領の事実を隠すために、口封じとして三木典子を始末したのでした。
以上が事件の真相でした。
登場人物の行動をまとめてみると、
・三木典子(奈々緒)は、報道されるような完璧な女性ではなく、周囲の女性からの恨まれていた
・城野美姫(井上真央)は、三木典子(奈々緒)からチケットを奪った
・狩野里沙子(蓮佛美沙子)は、三木典子(奈々緒)をこの世から消した
・赤星雄治(綾野剛)は、狩野里沙子(蓮佛美沙子)を信じてしまい、噂話を拡散させた
・篠山聡史(金子ノブアキ)は、
城野美姫(井上真央)と付き合っていたが、三木典子(奈々緒)に乗り換えた
こんな感じですね。
『白ゆき姫殺人事件』警視庁タイアップポスター。こちらは綾野剛さんVerのポスター。「その画面 映しだすのは真実か」 #白ゆき姫 pic.twitter.com/8aaq6TECMR
— 白ゆき姫殺人事件 (@shirayuki_movie) 2014, 2月 14
嘘と真実について考えさせられる作品でした。
綾野剛さんは4月19日から公開の映画「そこのみにて光り輝く」にも出演されているので、
→「そこのみにて光輝く」あらすじと映画のキャスト!池脇千鶴と綾野剛が出演
話題作に引っ張りだこですね。
この後は、個人的な感想を書いていきます。
<感想>
SNSやメディアで発信される情報の怖さを感じる作品でした。
マスコミが関係者の証言の一部だけを切り取って都合の良いように利用しているシーンは、「嘘」ではないけど「本当」でもない微妙なラインで、実際にもこういう編集はあるだろうなーと思わされました。
また、こういった悪意のある編集はマスコミだけでなく、一般人もしていることなんですよね。
注目を浴びる人間がいると、その人の過去の悪いエピソードばかり強調して話をすることや、逆にその人の良いエピソードばかり強調することで、偏った印象を与える。
作品の中だと、城野美姫(井上真央)は関係者に悪い過去ばかり証言されていて、三木典子(奈々緒)は良い話ばかりされていました。
こういう印象操作って怖いなーと思ったんですが、それより怖いのは登場人物たちでした。
城野美姫は、眠らせてチケットを奪った後の三木典子を完全に放置していて無責任ですし、赤星雄治は嘘かもしれない情報をもとにマスコミで情報発信をしています。
篠山(金子ノブアキ)は、交際相手だった
城野美姫(井上真央)のことをストーカーのようだったと赤星に語っていました。
犯人だけじゃなくて、登場人物全員が自己中心的で自己保身を考えているっていうのが、
リアルさがあって怖かったです。
文章だけでは伝わらない、映像化にぴったりの作品だと思うので、
映画を観るとかなり楽しめそうですね!
追記
映画化になって小説以上のドキドキが楽しめる作品として、「私の男」に注目しています。
殺人事件があり、あってはならない愛の形があったりと、刺激の多い映画です。